エクスカリバー 英名:Excalibur
アーサー王伝説に登場する長剣。
肉厚の両手剣として描写されることが多い。
・名前について ・アーサー王 ・エクスカリバーは複数あった? ・「選定の剣・閃光の剣」 ・「不死身の鞘の剣」
名前について
エクスカリバーの語源は中世ラテン語で【鋼】を意味する「calibs」(古典ラテン語ではchalybs)
アーサーの剣を「カリブルヌス」と言っていた。
フランスの吟遊詩人に取り入れられた際にラテン語の格語尾「us」が落ち、起源不明の「es」や「ex」が加わって古仏語のエスカリボール(Escalibor)、エクスカリボール(Excalibor)などに変化した。これらがのちに英語に入り最終的にエクスカリバー(Excalibur)となった。
エクスキャリバー
カリバーン
コールブランド
カリブルヌス
……etc
上記は発音や写本の際の表記揺れによって生まれた呼び方。
アーサー王
エクスカリバーの所有者はアーサー王伝説の中心人物「アーサー・ペンドラゴン」
5世紀後半から6世紀はじめのブリテン人の君主
ブリテンとは現在のイギリスに位置する国。
ブリテン島
グレートブリテン島はどこか。イギリス(ウェールズ)の一番大きな島。
最古の記録として紀元前6世紀頃のカルタゴ人航海者の記録にある【アルビオン】
その後紀元前4世紀ギリシャ人商人の航海記に【プレタニケ】と書かれ、次第にブリテン諸島を【ブリトニ】と呼ばれ始めた。
定着してきた頃、最大の島であるブリテン島が【ブリタンニア】と呼ばれるようになった。
一般的に言われてるアーサー王伝説は中世後期に完成し、【トマス・マロリー】がまとめたアーサーを中心とした騎士道物語群。
その中でもエクスカリバーにまつわるお話は
選定の義
ブリテン島統一
モードレッドの離反
湖の乙女へ返却
など
エクスカリバーは複数あった?
本当に複数あったかどうかは2017年時点歴史家達ですら分かっていない。 そもそも、アーサー王自身実在していたのかすら分かっていない。 詳しくはアーサー王のページにて
1本目のエクスカリバー
「選定の剣・閃光の剣」
先代の王「ウーサー・ペンドラゴン」が亡くなり、後継者の座を巡って争いが起こり始める。 カンタベリー大寺院に剣が突き刺さった鉄床の形をした不思議な石が出現した。 これが1本目のエクスカリバー。
刀身には 「この剣を引き抜いたものは、正当な王としてこの世に生まれた者である」 と黄金で刻まれていた。
ブリテン中の王、領主、騎士たちがこれをぬこうとしたのだが、びくともしなかった。
アーサーはエクター卿の子として育てられ、兄ケイの騎士見習いを務めていた。 馬上槍試合に来ていた兄が剣を忘れてしまったため、アーサーはこの剣を見つけ、あっさりと引き抜き兄に渡した。
やがて事実が知れ渡るとエクター卿はアーサーに生まれの秘密を明かした。 そしてアーサーは王として即位し、キャメロットを都とした。
この閃光を放つ剣は【アーサー王の死】作中において医師から引き抜いた剣と同じものだとは明記されていない。 上記から「アーサー王が石から引き抜いた剣と、光を放つ剣は別物である」という説が存在している。 しかし、作中で「奇跡の力で手に入れたあの剣は、形勢が不利になるまで使わないほうが良い」というセリフから、閃光を放つ剣と石から引き抜いた剣は同じもの、という考え方が一般的。
しかし、剣を引き抜いただけで王の臣下となれと言われてブリテン全土の諸侯が従うはずもなかった。 たちまち戦乱が起こり、その最中ペリノア王に折られてしまう。
泉にテントを張り、そこを通りかかる騎士に決闘を挑んでは死傷させていたペリノア王。 アーサーは円卓の騎士からグリフレット卿を派遣するが敗北し重傷を負ってしまう。 アーサーがペリノア王に馬上戦を挑むものの、老練なペリノア王は若きアーサーを打ち倒す。敗北を認めきれないアーサーはエクスカリバーで再び仕掛けた瞬間、エクスカリバーが砕け散ってしまう。 アーサーがペリノア王の武勇を認めず、我欲のために剣を振るったためであった。 意気消沈したアーサーはその後現れたマーリンの魔法により助けられる。
2本目のエクスカリバー
「不死身の鞘の剣」
一本目とは違い、剣自体には能力は秘められていなかったようだ。 代わりに「鞘を身につけておけば持ち主からは一滴の血も流れず、重賞を負うこともない」という。
この二本目の剣についてはアーサーが作中最後まで腰に携えている。
特殊な能力を秘めているというわけではない。 だが二本目のエクスカリバーを盗まれそれを振るう騎士と戦ったところ、終始圧倒され殺されかけるがなんとか隙をついて取り返し、一瞬で形勢逆転することから持ち主の戦闘能力を倍増しているかのような描写はある。
だが、エクスカリバーを盗まれた折に主犯の魔女モルガン・ル・フェによって鞘をすり替えられてしまう。 そしてその鞘はどこかに捨ててしまい、これ以降アーサーは鞘の力を失う。
物語の終盤にアーサー王が命を落とす直前に円卓の騎士【べディヴィア】によって湖に投げ込まれ湖の乙女に返却された。
アーサー王の愛剣
12世紀フランスで書かれた作者不詳の語『Lestoire de merlin』に登場する「マルミアドワース」という剣
関係
- アーサー王
- ウーサー・ペンドラゴン
- ケイ
- エクター卿
- ペリノア王
- グリフレット卿
- マーリン
- モルガン・ル・フェ
- べディヴィア
出典
湖の乙女
ヴィネヴィア
ペリノア王
アーサー王
エクスカリバー
モーガン・ル・フェイ
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