普段から夜型傾向がある私は、夜ふかしをして作業をすることがあります。頭がぼんやりしているようでいて、不思議と集中力が続く。そんな夜の時間に、ふとある仮説を思いつきました。
「計画的な夜ふかしは、生産性を高める可能性があるのではないか?」
もちろん、夜ふかしにはデメリットもあります。ですが、”使い方”次第で、むしろ味方になる場面もあるかもしれない。そんな考察をまとめてみました。
夜ふかしの脳は「ぼんやり」していて「鋭い」
夜中の作業では、確かに判断力は鈍ります。ミスにも気づきにくくなる。でも、その一方で、他のことを考えず、目の前のタスクに没頭できる不思議な集中力が生まれる瞬間があります。
私自身がそうなのですが、「夜を明ける」こと自体が目的になるような夜。そこでは、細かなノイズが遠ざかり、内的な世界に集中できるような感覚があるのです。
とくに、アイディアを練る・言葉を選ぶ・創作をするといったクリエイティブな作業には、この静寂と没入の時間がとても相性が良いと感じています。
でも、夜ふかしは「良いこと」ではない
とはいえ、夜ふかしが体にいいわけではありません。生活リズムが崩れ、疲れが翌日に残る。特に睡眠負債を抱えたままでは、トータルの生産性は下がってしまうことも。
だからこそ、私は「無計画な夜ふかし」をやめることにしました。
夜ふかしを”戦略的”に使うための条件
ここで考えたのが、**「条件付きの夜ふかし」**です。以下のような条件を事前にクリアした場合にだけ、自分に夜ふかしを許可する──そんな仕組みをつくってみました。
1. 直近の作業量を可視化する
過去数日間の作業量を見直し、どれだけのタスクが残っているか、今日進める必要があるかをチェック。感情ではなく、数値と記録に基づいて判断します。
2. 体調を日記につけておく
夜ふかしのリスクは体調に出やすいもの。事前に「今、自分は夜ふかししても大丈夫な体調か」を見極めるために、日々の体調記録をつけておくようにしました。
3. なぜ夜ふかしをするのか、理由を明確にする
これが最も大切です。「なんとなく今夜は寝たくない」ではなく、目的を言語化すること。
- 「この資料を完成させて明日の午前に提出したい」
- 「このアイディアを形にしないと、頭の中から消えてしまいそう」
など、やる理由に対する納得感があるかを確認します。
タスク処理は計画的にしている、でも追いつかない現実がある
もちろん、私は普段からタスク処理を計画的に行うようにしています。
無理のないスケジューリングを心がけ、やるべき作業に優先順位をつけて消化しています。
しかし、現実はそれほど甘くありません。
ちょっとした予定変更や判断ミス、差し込みタスクの発生によって、スケジュールにズレが生まれ、それが蓄積して大きな歪みへとつながってしまうことがあります。気がつくと、当初の計画から大きく遅れていた──そんな経験を何度もしました。
また、体調の問題も無視できません。集中力が思うように発揮できなかったり、そもそも作業ができない日があることも。
こういった状況に備えて、私は「そもそもタスクはフル稼働で組まない」ことを原則にしています。
たとえば、1日8時間働けるつもりでも、タスク量は**5〜6時間分(0.7〜0.8倍)**に留めておくのが理想です。
さらに週単位でも注意が必要です。1週間あたりの作業量が40時間を超えると、集中力・体力・判断力すべてのパフォーマンスが低下すると感じています。だから私は「40時間を超えてはいけない」という自分なりのラインを定めています。
計画を立ててもその通りにはいかない。だからこそ、夜ふかしが”逃げ道”ではなく、補助輪として機能する場面もあるのでは?──そんなことを考えたのです。
夜型だからこその、自分なりのリズムを育てる
社会は基本的に朝型で動いているため、夜型人間は「合わせる」ことに疲れてしまうことがあります。ですが、自分のリズムを無理なく活かす方法を見つけられれば、夜型であることも一つの強みにできるかもしれません。
「計画的な夜ふかし」は、そんな私なりの自己理解から生まれた小さな実験です。
もし同じように夜型の自分に悩んでいる方がいたら、こんな試し方もあるよ、と伝えたいと思い、この記事を書きました。
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