概要
時間や空間を始めとした次元を超越した世界に触れられる力を手にする。
現実という枠組みを超えて、異なる存在や領域、宇宙の真理に触れるために必要な鍵。
奇妙なアラベスク模様に表面が覆われた、長さが12センチ(5インチ)近くある大きな銀の鍵。
古代地球のヒューペルボリアで作成された。
ランドルフ・カーターが夢からもたらされた情報を頼りに見つけ出したもので、発見した当時は大きな羊皮紙にくるまれ、大きさ約30cm(1フィート)平方のグロテスクな彫刻の施された香木製の箱に入れられていた。
銀の鍵の特性を利用することで、連なる時空の門を開くことができる。
物理的な鍵としての役割はなく、あくまで次元を超えるための精神的なツールとして使用される。
ヨグ=ソトースとの関係
ヨグ=ソトース自体が「宇宙そのもの」とされているため、このヨグ=ソトースへ接近するためにも多々使用されている。
ヨグ=ソトースの全知へのアクセスも可能にするため、一時的に人間へ全知全能を付与することも可能。
また、彼自身が「次元の門を守る存在」とされているため、異次元への侵入や異なる現実へのアクセス権も彼から許可を得ていることとなる。
彼に触れることは全知全能を得ることになるが、代償として狂気に走ることとなる。また、銀の鍵を使うことで直接的にヨグ=ソトースの存在を知覚することになるため、精神の崩壊を招き正常性を保つができなくなる。
彼が存在する「最極の虚空」へ近づくには、「第一の門」を超えると「旧きものども」が「窮極の門」を守護している。その筆頭である守護者ウムル・アト=タウィルの選定を受ける必要がある。
ヨグ=ソトースへ至る順序に関しては下記を参照
時の門・次元の門
先述した通り、銀の鍵は概念的な制約を超えるために必要なもの。そのため、超える次元や空間をしばしば「門」と表現される。
銀の鍵の門を超えて
銀の鍵の門を越えてとは、E・ホフマン・プライスの「幻影の王」をハワード・フィリップス・ラヴクラフトが全面的に書き改めた幻想小説。
元は「銀の鍵」のランドルフ・カーターを主役にホフマンからラヴクラフトに合作として持ちかけられた作品であったが、ホフマンが書いてみせた「幻影の王」が作家としての未熟さが目立つものであった為、ラヴクラフトが一から書き直した作品である。
ある日、祖先の財産を受け継ぎ生活に困らなかった筈のランドルフ・カーターは行方不明となり、カーターと文通していたプロヴィデンスのウォード・フィリップスはカーターが別な時空で生きていると主張し、彼やカーターの友人で遺産管理人のエティエンヌ・ド・マリニーはカーターが今も生きている事を信じていた。しかしカーターの遺産分与を迫るカーターの親戚たちに抗えず遺産分与に関する協議の場には相続人代表のアーニスト・K・アスピンウォールと謎のバラモン僧チャンドラプトゥラ師が集まる。そしてカーターの生存を主張するフィリップス相手に激昂するアスピンウォールを前にチャンドラプトゥラ師はカーター失踪の真相を語り始めるのだった。それは時空を越えた一人の男の放浪の物語だった。
経緯(現実の出来事)
初出はハワード・フィリップス・ラヴクラフト(H・P・ラヴクラフト)の『銀の鍵』。
1926年7月に執筆。アメリカの雑誌「ウィアード・テイルズ」1929年の1月号に掲載された。
ランドルフ・カーターを主人公に据えた作品。
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