概要
ネクロノミコンの概要
ネクロノミコン(”死霊秘法”)は、クトゥルフ神話に登場する架空の魔導書で、ホラー作家H.P.ラヴクラフトの作品群を通じて広く知られるようになりました。
この禁断の書物は、アラブの狂詩人アブドル・アルハズラットによって記されたとされ、原題は”アル・アジフ”と呼ばれています。
ネクロノミコンの内容には、異次元の存在や邪神たちに関する知識が記されており、それらにアクセスするための儀式や呪文が含まれているとされています。
この魔導書は、人間が触れてはならない禁忌の知識を内包しており、読者に狂気をもたらすとも言われています。そのため、多くの物語で危険視され、破壊される対象として描かれることが一般的。
ネクロノミコンは、ラヴクラフト作品だけでなく、他のオカルト文献やフィクション作品にも大きな影響を与えてきました。その存在は、多くの人々の想像力をかき立て、”禁断の書物”というテーマの象徴的存在となっています。
また、ネクロノミコンには様々な翻訳や写本があるとされており、それらが世界各地に散らばっているという伝説も存在します。この背景により、ネクロノミコンは単なるフィクションの一部を超えて、現実とフィクションの境界を曖昧にする興味深い要素を提供しています。
ネクロノミコンとはギリシャ語へ翻訳する際に付けられたもので、ネクロ(死体)ノモス(掟)イコン(象徴)の意である。
最低でも770ページほどある。しかし全ページ数は明らかになっていない。
作中の来歴
架空の来歴では、現存する多くは17世紀版で、ハーバード大学のワイドナー図書館、パリ国立図書館、ミスカトニック大学付属図書館、ブエノスアイレス大学図書館などに所蔵されている。
原本から写本・翻訳が重ねられ、劣化欠損が進んでいる。ミスカトニック大学付属図書館には版や内容の異なるものがあり、別のネクロノミコンを参照することもある。
以下は架空の歴史として多用されているもの
- 730年 – アブドル・アルハズラットにより、アラビア語の原書「アル・アジフ」が書かれる。
- 950年 – コンスタンティノープル(ビザンティウム)のテオドラス・フィレタスにより、「ネクロノミコン」の表題でギリシャ語に翻訳される。
- 1050年 – 総主教ミカエルにより、焚書処分にされる。
- 1228年 – オラウス・ウォルミウスにより、ギリシャ語版をもとにラテン語に翻訳される。
- 1232年 – 教皇グレゴリウス9世により、ギリシャ語版・ラテン語版ともに出版が禁止される。
- 1440年頃 – ドイツでゴチック体版が刊行される。
- 1500-1550年頃 – イタリアでギリシャ語版が出版される。
- 1560-1608年頃 – ジョン・ディー博士により、ラテン語版をもとに英語に翻訳されたが、製本されなかった。後に不完全な写本が散逸したとされる。
- 1600年頃 – ラテン語版をもとにスペイン語に翻訳される。
ネクロノミコン断章
ファンによって作成された実在する本。
ジョン・ディーの暗号を解読したらネクロノミコンと同じことが書かれていたという設定になっている。
初期では、ただのファン作品であったが、有名なオカルティストが加わり、根拠などが加味されていったため魔導書は本物の魔導書と変わりないレベルまでに整えられた。未公開部分があったが、ルルイエ異本としてのちに公開された。
登場アイテム
- バルザイの偃月刀(シャムシール) : ヨグソトースの召喚などに用いられる儀式用の青銅製偃月刀(アラビア刀剣)
- イブン=グハジ(イブン=ハジ)の粉末 : 不可視の神話生物を見ることができる粉末
- ズカウバ(ランドルフ・カーター)の燻香 : 神話生物を捕らえ操る儀式に使用される薫香
結印 : 儀式に使用される左手のジェスチャー。
- ヴーア(ヴール)の印 : 旧支配者への祈祷の印
- キシュの印 : 次元の門を開く印
- コスの印 : 次元の門を封じる印
- 古の印(旧神の印) : 神話生物が避ける印
関係
人物
実在
- h・p・ラヴクラフト(実在)
- オラウス・ウォルミウス(実在)
- ジョン・ディー(実在)
架空
- アブドル・アルハズラット(狂える詩人)(架空)
- ジョセフ・カーウィン(架空)
- テオドラス・フィレタス(架空)
物語
- チャールズ・ウォードの奇怪な事件
- ダニッチの怪
場所
- ミスカトニック大学(架空)
物品
- ネクロノミコン断章
- ルルイエ異本
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