中世の移動手段と交通事情

中世ヨーロッパ
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この記事から得られる事

  • 道路の種類と状態
  • 陸路の移動手段
  • 移動速度の差

前提

中世盛期頃(11~13世紀頃)時代背景詳細は別途記事にて

この時代は領主の権力が肥大化されていき、人口増加、経済の解放、労働力統率の仕組み化、技術革新等が同時に発生して生活が豊かになっていった。

道路の種類

当時の道路は「王の道」や「街道」の大規模な道と「村落の道」の小さな道に分けられる。

王の道 街道

王の道や街道は商業活動。特に遠方への移動などに利用。

ローマ帝国が築いた街道を元に作られたが当時の舗装は失われていた。砂利と石灰を敷いただけの道で凹凸が多くなにもしないよりかはマシな程度。国家や都市によって管理され、交通の際には交通税を取られることもある。反面領地の支配力、経済力が強ければ安全性が保証され利用する者にとっても利便性が増した。

村落の道 小道

耕作地や教会などに移動するための道。

用途に応じて新設されるこの道。クネクネと曲がりくねり道幅も牛2頭が通れるほどしかなかった。設置や維持は村落が行い勝手に道を作ったり耕作することは厳重に禁止されていた。荘園等は領主の許可が降りないと作ることさえできなかった。

移動手段

徒歩

徒歩は時間がかかる上、野盗や狼に襲われる危険性もあり、旅人たちは集団で行動したり護衛をつけた商隊に同行するなどして自衛していた。軽い荷物などは駄馬やロバなどの背中に積んで運んでいた。

ちなみに徒歩移動の際には靴も重要だがこの時代では革や木、麻布で作られたブーツ、サンダル 等が使用されていた。

馬車

どちらの道も状態は宜しくなく移動に馬車を使うことは好まれなかった。当時の馬車は車体が直接車軸の上に乗っているような構造だったこともあり振動がほぼ直に伝わり決して快適とは言えなかった。ちなみに馬車の構造が改良されたのは14世紀以降のこと。

動物

徒歩以外にも動物も利用されていたが、馬などの騎乗動物は主に貴族などの富裕層が利用していた。庶民は徒歩で移動していたがまれにロバやラバに乗ることもあった。

移動速度


徒歩では 時速4~6kmほどで一日25~40kmが一般的。馬を利用すると時速20~25kmになり、約5倍のスピードになる。

Source

『中世の旅の移動速度について』
『中世の旅』(N・オーラー)から〔14〕○旅の速度(1)一般的なデータ歩行者:4~6km(時速)    25~40km(1日の行程)走る人:10~12km,5…
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